ずーサン WP
03:eスポーツ専門会社の採用の鍵は...
更新日:2022年8月12日
心の中を紐解く…?
どうやらまだ何か結論が出たわけじゃないみたい。
ずーサン曰く、私がWPLに凄くハマってるって事は伝わったっぽい…?
でもなんだか「心の中を紐解く」って言われると、何か心理学的なテストとかされそうで凄く怖いんですけど!
「まぁ別にそんなに身構えなくて大丈夫よ。俺が聞きたいのは、WPL云々って言うよりも、そもそもどうしてゲームを好きになったのか。eスポーツの何に魅力を感じているのか。全然具体的じゃなくて構わないから、自分はこんな関わり方をしてきたい。みたいな部分を聞きたいんよね。」
…なるほど。
心を紐解くっていうのは、広くゲームに関する私の想いとかルーツ?を聞きたいってことみたい。
身構えていた心が少しだけほぐれて、私はゆっくり話し始める。
「えーと…私はおばあちゃんっ子なんですけど…おばあちゃん家に"パネルでポン"っていうパズルゲームがあって。おばあちゃんはボケ防止でやってたんですけど、おばあちゃん家に行ったら毎回対戦して遊んでいました。 流石に私の方が上手かったんですけど、ハンデってつけられるじゃないですか。ハンデをつければ結構良い勝負になって。凄く年齢が離れていても、実力がある程度離れていても、ゲーム1つでいっぱいお話出来て、盛り上がって。 そうやって人を繋いでくれるゲームの力って凄いなって思ったんです。」
さっきWPLの事を話したときと違って、何だか落ち着いて話せた気がする。
ちょっとだけ慣れてきたっていうのもあるけど、話を聞いてるずーサンの相槌とかリアクションが心地良い気がした。
…さっきは見えてなかっただけかもしれないけど。
「ちゃんと聞いてくれてる。興味を持ってくれてる」っていうのが伝わってくる感じ。
「私はRPGとかもやりますけど、どっちかって言うと対戦ゲームの方が好きで…それは"対戦そのものが好き"っていうよりは、誰かと一緒に遊べるから好きなんです。」
「なるほどねー!良いね。競技シーンとかはどう?配信とか見たりする?」
「もちろん見ます!WPLもそうですけど、他の大会も見ます。選手たちの人間ドラマが好きで。でも一人で配信を見る事は少ないかもです。誰かと一緒に見るのが好きです。」
「うんうん。じゃあこの仕事に期待してる部分っていうか、こんな事に取り組んでみたいとかある?例えば競技シーンをもっと沢山の人に!とか、選手が称賛される世界を作りたい!とか…?」
この質問をされた時、私は一瞬答えを迷った。 多分、採用がゴールになっていないか、採用されたあとに取り組みたいことを持っているかどうか。それを問われてる気がする。 (前にずーサンのnoteで読んだ)
「この世界でお前には何が出来るんだ?」って事だよねきっと。 求められているものに応える形にしないと響かないかなぁ…
結論を出せない私はうーんと俯きながら10秒くらいフリーズしてしまった。 ヤバい。何か話さないとどっちにしてもヤバい。
「あ…ぇと……..」
一先ず間を埋めないとと思った私は慌てて答える。
「プレイヤーが競技として他のスポーツと同じように打ち込める世界を作りたいなーって!…思ってます。」
ち、ちょっと時間がかかっちゃったけど大丈夫かな…? 恐らくずーサンの求める答えから外れてはいないと思うんだけど… そんな具合にずーサンの顔色を伺っていると、顔がパッと私の方に向いて目が合った。
「本当にぃぃ??……まぁ別にさ、疑ってるわけじゃないんよね。ただ、最初に話していたおばあちゃんとの原体験とかと、今話していたビジョンの話がなんか噛み合わないんだよねー。」
腕組みをしながら斜め上を見上げてずーサンが続ける。
「そんなに多くを聞いた訳じゃないから全てをわかってるつもりはないけれど、なーんか話を聞いてる限り"競技シーン"への強い想いとかこだわりはそこまで無さそうだなって感じたんだよねー。」
…図星だった。
なんなのこの人エスパーなの!? まるで心を見透かされているかのように言い当てられた。
その通りです。
正直言うと…私は競技としてのゲームにそこまで強い思い入れはない。 もちろん途中言った通り全然見るし、フツーに好きだ。 でもその想いは「フツー」の枠を超えない。 きっとこの会社にはフツーの枠なんかとっくに通り越してる熱量の人たちが集まってるんだろうな…
あぁ変な汗出てきた… 動揺しすぎて目が泳いでる気がする…
そんな私を見かねてか、ずーサンが続ける。
「まぁ難しいか。もう少しだけ答えやすくすると…"誰"に"何"を届けたいか。それを聞きたいんだよね。これはちょっとマーケティング的な考え方なんだけど。ちなみに正解は無い。でもこれが人のエンジンになる。」
そう言い終えるとずーサンはペンを置いて、頬杖をついて私をじっと見てる。 ここから先はメモは取らないってサインなのかな。 この姿勢といい、言葉に含まる力強さといい、きっとこれがずーサンの一番聞きたいことなんだろうなって分かる。
『誰に、何を』
ずーサンに言われた言葉を何回か心の中で繰り返して、パンクしそうになった頭をなんとか回転させて振り絞るように答える。
「わ、私は…その……人と繋がることが出来る1つの装置としてのゲームの魅力を、沢山の人に届けたいなーって…思ってます。」
頭の中がちょっとパニック。 いま私が言った言葉は答えになってたのかな…
もう駄目かもぉぉぉ… 目眩がしそぉぉぉ…
心の中でもがいている時、チラッとずーサンの表情が目に入った。
「おー!面白いジャン♫」
私がKO寸前の瀕死状態の所に、今日一番の弾んだ口調が返ってきた。 相変わらず頬杖をついたままの姿勢でずーサンは、ニコッと笑っている。
「よし!合格で良さそうだ!アルバイト採用って事であればね!!…ぶっちゃけ正社員採用の面接だったら落としてたかもしれないけど!w」
特別だぞぉぉ!とでも言いたげな、ちょっと茶目っ気のある表情でずーサンは私にそう告げた。
…ごうかく? 合格!!!
後半の方で結構不安になる事を言われていた気がするけど、合格!!
正直まだ頭の整理がついてない私は、"ウェルプレイド・ライゼストにアルバイト採用が決まった"っていう事実よりも、どうしても合格したいと思っていた試験に合格した"っていう事にただただ安心した。
「あ…ありがとうございますっ!!」
こうして私はウェルプレイド・ライゼストでアルバイトする事になった。
全然実感がわかないけど、自分が楽しませて貰ってたコンテンツに関われるなんて…
取り敢えず、私に出来る事を精一杯やろう! 社員の人たちと上手くやっていけるかちょっと心配だけど。。
それと…
私にとってのゲームの本当の価値については言い出せなかったな。 それもいつか話す事になるのかな?
あ、あと私…ずーサン好きだけど、ちょっとだけ苦手かも…(^_^;) (心の中を見透かされてるみたいで…)
***
~場面変わってずーサン視点~
「あ、うっちー、たいが!1人アルバイト採用する女の子決まったんで宜しく!」
オフィスで談笑していた2人に声をかける。
1人はウェルプレイドリーグのディレクターである"うっちー"。 金髪に丸メガネが特徴。
そして新人ADの"たいが"。 バリバリの関西弁(大阪出身)で、ずーサンよりもデカい185cmの長身。
別に俺の部下って訳じゃないけれど、同じチームの後輩って位置付け。 ※俺はプロデューサーだけど、プロデューサーとディレクターは縦の関係じゃない。これ豆知識。
「へー!ずーサンが面接通すってちょっと珍しいですね。どんな人なんですか?」
ちょっと驚いた様子でうっちーが聞いてきた。 うっちーはウチの会社に採用する時に俺が直接面接してるので、ずーサン流の面接を経験している。
「女子高生!eスポーツeスポーツしてないから思想が合いそうだなって思った。競技としてよりは、人とのコミュニケーションツールとしてのゲームに魅力を感じてたから、俺と思想が近い。アルバイト採用だし、技能がどうこうよりも、エモの部分で共感出来るのが一番大事だなって事で!」
俺がそう言うと、"女子高生"という単語に反応したたいがが、ちょっと小馬鹿にしたように問いかけてきた。
「女子高生!?…ずーサン、どれくらい歳離れてるんですか?w」
「えーと………18歳差?w」
自分で改めて計算したら驚愕した。
自分でもオジサンであるという自覚もしているし、だからこそイケオジ路線を目指して立ち回ってはいるが、相手が女子高生となるといよいよオジサンである事を本格的に思い知らされるかもしれない…
今どきの女子高生の生態なんてわからんし、実際に女子高生に「え、おっさんクサっ!」とか言われたら割りと引きずる自信がある。 ※おやじ臭がするとか言われたらむしろ立ち直れない()
明け透けにものを言う所があるのは自分で自覚してるので、いろはに対しての自分の言動には気を付けよう…
俺はそう心に誓った。
続

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